彫金の歴史
青銅器時代
青銅器とか青銅武器製造は紀元前3000年~2000年ころから始まりました
銅、錫の鉱物の発掘、冶金、合金、鋳型技術が必要でそれ自体高価なものなので文明社会の存在が前提になります
装飾品、祭礼、武器に使われました
高度な文様デザイン性も見られますが彫金によるものではありません
金属に直接彫刻するにはさらに硬い金属=鋼鉄の工具の出現を待つことになります
黄金の装飾品
この金のディアデマ(頭に巻きつける装身具)はブルガリア、スヴェシュタリから出土した
紀元前4世紀末作られたものです。あまりの精巧さ美しさに驚きます
金は融点が低く加工性がよく美しく、適度に合金すればそこそこの強度も保てます。
装身、装飾には理想的な素材ですが、、、高価ですね
現在で言うロストワックス法で型を作り鋳造した小さなパーツを融解接合して作られたものです
時代的には青銅器時代の中にあります
鉄の時代へ
鉄の発見、利用というのは歴史的に大変大きな意味を持ちます
鉄は砂鉄として世界中いたるところから産出するので入手しやすいのです
従って安価
融解点が高いので”ふいご”など高度な冶金技術が必要になり組織的な職人集団と
比較的山の中に産出するので都市までの交通網の整備が必要です
従来の木製農耕具に変わり鉄製が使われるようになると農業生産性が飛躍的に上がりました
青銅製にかわって槍や刀、盾などの武器に使われるとやはり戦闘能力は格段に上がります。
富の源泉の金山と力の源泉の鉄鋼山を収めた者がその地域一帯を統治する図式が出来上がりました
鋼の工具